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2019/08/12

2019年8月9-11日 光(てかり)岳と上河内岳

 白山がうまくいったので次は雲ノ平かと思っていましたが、仕事が入ったり、縦走形式はちょっとまだ心配だったりということで、茶臼小屋にテントを張って光岳を往復してくることにしました。さらに三日目は上河内岳も往復です。高校時代に二回も夏合宿で南アルプス南部を縦走していますが、縦走路から少し外れている上河内岳には登っていません。標高は2803mもあるのです。

一日目
 前夜発で畑薙第一ダム堰堤に深夜に到着して、そのまま車中で仮眠して早朝に出発です。ここにやってくるのは2年ぶりです(2年前の記録はここ)
 大井川沿いではリニア新幹線の工事でトラックが行きかっているようです。早朝からお仕事トラックが山に向かっていきます。南アルプスを抜けるトンネル工事には賛否両論ありますが、椹島や二軒小屋にあった登山小屋が工事の飯場(古い名称かも。いまなら宿舎?)に用地を明け渡したらしいということで、ちょっとそこはいただけない。

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 今回は林道をちょっと走るだけ、ということでフルリジッドで細いタイヤの自転車で林道を走ります。沼平ゲートには、自転車はOK!という看板があります。大井川林道は自転車に優しい。北沢峠も自転車だけは許してくれてもいいのに、と来るたびに思います。

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 ダム堰堤から30分ほどで畑薙大吊橋に到着。自転車はここでデポします。

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 大吊橋の名の通りに高度感があります。足下に見える流木や大井川の流れは注視しないように歩きました。年齢とともに高度感に弱くなっているかも。

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 上河内沢沿いを登るウソッコ沢小屋までのコースは、4つある吊橋のうち2つが台風で流されてしまっていて、急ごしらえの木橋になっています。激しい流れだったようです。しっかりとしたコンクリートの土台が根こそぎ流されて、わずかに吊り橋のワイヤーだけが川を越えているという状態でした。木橋もなかなかスリリング。

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 ウソッコ沢からは南アルプスらしい樹林帯の厳しい登りが始ります。少し気温が下がったかというところで横窪沢小屋に到着。今日はまだ連休の前日なので小屋はのんびり感が漂っています。きれいな小屋で、冷たいお茶をごちそうになりました。

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 再び登り坂の連続になります。大無間山が見えるという標識に誘われて休憩。茶臼小屋まではまだ三分の一ぐらいの行程です。時間は午前10時前ですが、早くも夏の雲が山々の向こう側に沸き上がり始めています。

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 しっかりと汗を絞られて茶臼小屋に到着。稜線直下で、なおかつ水が流れる沢沿いのお花畑のそばに建つ、絶好のロケーションの小屋です。時間はまだ午前11時半。早いけれど今日の行動はこれで終了です。発作発生のために当社比半減の量となっている泡系飲み物は、小屋のそばにある水場で冷却されているビールとご一緒させてもらいます。

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 ウダウダと小屋のベンチで景色を眺めていると、午後2時半ごろになってガスが出てきました。夏山恒例の夕立がやってきそうです。

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 テントに入って寝ていたら雨と雷の音で目が覚めました。午後5時頃。ザーッと降りましたが、サッと上がりました。外に出てみると、夕焼けの赤い光が雲に映っています。天場は東向きに開けていますが、西側の景色も雲を通して想像できました。

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二日目
 今日は軽装とは言え、コースタイムで12時間弱の行程で光岳を往復する予定です。夕立や雷がやってくる前に戻ってきたい。茶臼小屋によると静高平の水は細いので、たっぷり水を持つようにとのことです。教えの通り3.8リットルも持ちました。水を大量に飲むのは発作原因となる尿酸を洗い流すのにもよいのです。
 富士山が雲で横筋模様になっています。単純な形の山ですが、いろいろな表情を見せるのが魅力です。

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 稜線に出ると聖岳とその横に兎岳が立派です。兎岳の背後には中央アルプスの峰々が見えます。朝日が稜線を越えて長野県方面を照らし始めています。

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 茶臼岳に登ると、歩いていく方向に光岳が見えています。茶臼岳とほぼ同じ標高の光岳ですが、一度、標高2200mぐらいまで下ります。しかし地形図を見ると、登り下りは緩やかで、どちらかというと水平距離を稼がなければならない道のりのようです。

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 茶臼岳を下り、仁田池を通り、広い尾根筋に設置された木道を歩いていきます。

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 茶臼小屋から1時間ほどで仁田岳への分岐である希望峰に到着。ここまでが標高2500mを越える高山帯の道で、ここから最低鞍部の三吉平に向けて樹林帯の中を緩やかに下って行きます。

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 樹林帯に入っていく途中で光岳とイザルヶ岳(左)が見えました。雲一つない快晴ですが、いずれは雲が沸き上がってくるでしょう。

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 幸いにコースタイムを1時間半ほど短縮して三吉平に到着しました。ここからイザルヶ岳に向かった登りになります。沢状の石の多い道を黙々と登っていきます。

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 沢型が消えると静高平です。再び聖岳と兎岳が見えてきました。兎岳の左のある尖った峰は大沢岳でしょうか。その向こうが百間洞です。再訪して一泊したい場所です。

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 静高平の水は細いとのことでしたが、水量は十分でした。冷たくておいしい。この水場より下の沢は全部伏流だったし、この水場の上には湿原はありません。奇跡的な感じがします。稜線にある貴重で不思議な水場としては、西駒山荘と比肩します。光小屋に泊まる人は、水が流れている場合は、ここで汲んで持参するようにとのことです。

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 平坦な道を歩いていくと光小屋が見えてきました。横窪沢小屋も茶臼小屋も、そしてこの光小屋もみんなきれいで立派です。寸又峡林道が通れないので、ここにやってくるには稜線を南下するしかありません。もちろん、バリエーションルートでやってくることもできるでしょうが、一般的には南アルプスのどん詰まりにあるような小屋です。

A10

 小屋から振り返ると右に上河内岳、真ん中に聖岳、そして兎岳と遠望できました。聖岳と兎岳の間には赤石岳も見えているようです。どの山もここより高くて、南アルプスの最南端を感じます。

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 小屋から少しだけ登ると光岳山頂です。眺望はありません。

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 山頂から南に少し下ると光岩があります。この白い岩は下から見ると「テカっている」のでてかり(光)岳と呼ばれるようになったと言いますが、本当かなぁ。下から見るといっても、あの谷深い寸又峡から見上げなければいけません。
 ここから南に続く山並みはヤブ山っぽいところばかりで、登るのは大変だけど光岳より南にはもう日本アルプスの稜線は無いな、ということが良く分かりました。

A13

 往路を戻ります。まだ午前10時半過ぎですが早くも雲が湧いてきています。ということを言い訳にして、見えているイザルヶ岳の山頂はパス。

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 淡々と歩いて戻ってきました。茶臼岳を越えると東側からガスが登ってきています。茶臼小屋はガスの中に入っているようです。時間は午後3時。昨日と似たような天気です。

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 やっぱり茶臼小屋はガスに巻かれつつありました。コースタイムを1時間半ほど短縮できました。おかげで夕立前に戻ってくることができました。さすが連休初日ということで天場は大混雑、小屋もたくさんの登山者がチェックインに並んでいました。昨日の入山とテント定着型の計画は正解でした。

A16

 ここまでに見てきた高山植物の写真をまとめてみました。白山に比べると種類も量も全然少ないですが、頑張って咲いています。

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三日目
 梅雨明け後の夏の天気は安定しています。今日も朝は良く晴れています。雲海があって下界は曇り空と思われます。ちょっと優越感。

B01

 小河内岳に向かいます。40余年前に亀甲状土を見た記憶があり、探しながら歩きますが、見つかりません。時の流れで消えてしまったのでしょうか。亀甲状土があったはずのお花畑から見上げる小河内岳は、なかなかかっこいい山です。

B02

 小河内岳の肩に登る途中から望む、朝日に照らされて陰影がある聖岳と兎岳。

B03

 聖平小屋も見えました。ここも百間洞と同じように再訪したい天場です。

B04

 上河内岳からの眺望。静高平では聖岳の左側に赤石岳が見えていましたが、この位置からだと逆です。さらに、赤石岳の右奥には荒川三山も見えます。ここからは塩見岳は見えないようです。

B05

 名残惜しい高山帯の稜線で茶臼岳をしばし眺めながら大休止しました。

B06

 あきらめて灼熱の下界に戻ることにしました。年齢ともに下りが不得手になってきています。下り主体だとコースタイム通りにしか歩けません。それでも粘り強く歩けば下って行きます。横窪沢小屋は連休のおかげで、たくさんの登山者が休憩しています。

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 ウソッコ沢小屋からは荒れた上河内沢を下ります。河原に赤ペンキやピンクテープでルートが示されていますが、また豪雨があったらやり直しかもしれません。

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 沢から離れて畑薙大吊橋まで登り返しがあります。ほんとうにヤレヤレです。気温は25度になりました。暑い。

B09

 吊橋のそばにデポしておいた自転車を回収して、わずかでも林道を楽して下ります。この夏太陽に照らされて林道を歩くより、だいぶいいと思います。

B10

 このあたりも恒例の夕立はあるようで、あちこちにある水たまりをよけながら走っていきます。

B11

 畑薙第一ダムの青い水面の向こうに夏の雲が浮いています。

B12

 前夜発二泊三日の山行は計画通りに終了しました。次は周回コースか、すっかり不得意となった下山に自転車を利用できる千枚岳コースで荒川三山から赤石岳まで足を延ばしてみるかなぁ。

 

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コメント

素晴らしい景色堪能しました!
涼しそうでもありますが
チャリ担いで登ってるんだと考えるとスゴイッ!

投稿: こば | 2019/08/14 11:19

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