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2018/01/01

2017年12月28日 熊野古道伊勢路(賀田から熊野速玉大社)

 熊野古道伊勢路の最後の部分を走破するため、日帰りの計画で年末に出かけてきました。出発は前回の到達点である賀田駅。クルマを駅前にデポして出発です。午前7時。寒い。

 賀田駅から海沿いの国道を走り曽根集落に向かいます。峠の入り口には、新宮まで42kmの標識があります。夕暮れまでに到着できるでしょうか。
0142km

 最初の峠は曽根太郎坂次郎坂です。入り口からいきなり担ぎの階段です。もともとはこの峠が志摩と紀伊の国境だったため、他領と自領をはさむ峠として呼んでいたのが転じて太郎と次郎になったと説明されています。でも、紀伊とは紀州と伊勢のことでは? 志摩の国というのもあったの? などと考えながら早朝からの担ぎに耐えます。
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 振り返ると賀田港に朝日が差し込み始めています。冬型が強まっていて、鈴鹿の山は冬の雪雲に覆われていて、四日市では雪が舞っていましたした。さすがにここまで南下すると冬晴れです。
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 熊野古道の定番、石畳がさっそくお出迎え。苔むしていていい感じではあります。むかしは杉林ではなかったはずで、もっとよい景色だったのではないかと想像しながら登ります。
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 甫母峠に到着。ここから甫母の集落に下る道が分岐します。熊野古道は尾根を西にたどって二木島に下ります。傾斜が緩やかになりましたが石畳はしっかりあります。
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 峠にはアニメっぽいお地蔵さんが居ました。新しいようです。
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 尾根の途中から二木島湾を遠望することができます。なにかを養殖しているようです。地図情報によると、真珠かたいの養殖と思われます。
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 下っていくと立派な猪垣が現れました。たいへんな労力で作ったもので、イノシシ害との闘いの跡とのことです。今は電牧線です。猪垣と並んで多いのは行き倒れの供養塔です。
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 二木島駅裏手の急斜面に建つ民家の間を抜けていく細い道が二木島峠の入り口です。洗濯物や茶の間が見える路地を登っていきます。熊野古道は世界遺産に指定されたといっても、全区間が指定されたわけではなく、石畳などの古跡が多く残る峠の一部区間だけなのです。このあたりは普通の生活道路です。
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 二木島峠に到着。逢神坂峠までは緩やかな登りですがしっかりと石畳があって乗れません。雨が多い紀伊半島の道を守るために、しっかり石を敷いたそうです。しかもこのあたりは石が豊富だそうです。おかげで担ぎと押しの連続です。やれやれ。
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 また猪垣が出てきました。ここは石垣に沿って道が付けられていて、少しだけで快適に乗って行けました。
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 新鹿の集落を抜けて波田須道に入ります。国道はトンネルを抜けますが古道は登っていきます。ここは、ぐっと我慢をして自転車を担いで階段を登ります。
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 トンネルの上を越えていくと東波田須の集落にでました。集落をトラバースで抜けていく道は快適に走れます。ここは、今回のハイライトか。
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 波田須は海岸近くには降りずに大吹峠に登っていくことになります。再び石畳の道です。廃れていますが段々畑が石垣で作られています。むかしはかなり山のほうまで耕作地が広がっていたそうです。
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 大吹峠は猪垣で仕切られていて、ゲートのようになっていました。
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 大泊の集落に下り、交通量が多い国道42号線を渡ると最後の峠である松本峠の入口に到達しました。またまた階段がお出迎えです。その後は石畳ということで、すっかりこのパターンには慣れました。
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 あれ? 石畳道ですが、いやにきれいに敷き詰められています。どう見ても現代の技術が入っているとしか思えません。ここまできれいになっていると乗って下ることができます。実際に、松本峠の下りはかなり乗って下れる部分がありました。やっぱり、自転車は古代の乗り物ではなく現代に近いのでした。
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 峠を越えると夕日に照らされた七里ガ浜が見えました。あの海岸線を走り抜ければ和歌山県新宮市です。時間は午後2時過ぎです。なんとか新宮の熊野速玉神社まで明るいうちにたどり着けそうです。
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 熊野市は古い民家の間を抜けていきます。日が傾いてきていますがまだ暖かい。
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 七里ガ浜沿いには、国道を避けて、海岸線を歩く道と防風林の中を抜けるダート林道の二つがあります。ここはダート林道を選択しました。MTBで来た甲斐があるというものです。
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 ダート林道は市木付近で終了して、しばらく国道を走りますが、再び海岸沿いの遊歩道が現れました。ところが、台風の影響で崩落しているところがあるとのこと。せっかくなのでどんな様子か見に行くことにしました。
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 砂浜沿いの遊歩道はなかなか良い感じです。しかし、台風のせいか、砂がかなり舗装に堆積している部分があって、自転車では進めない部分もありました。
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 そして、完全に歩道が流されてしまっている部分に遭遇。これはやめたほうがよさそうです。あきらめて国道に戻りました。
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 井田付近から山側に登り、鵜殿の集落は北西の山腹をトラバースで抜けていきます。このあたりは民家や畑の中の舗装路を走っていくので、地図と標識を確認しないと、どちらに向かって走ればいいのかわかりません。そして、新宮まで6kmの標識にたどり着きました。ここから、国道を横切って熊野川の右岸に突き当たります。
246km

 ついに、熊野川を渡ります。和歌山県新宮市に突入です。見えているのはずっと並走してきた、紀勢本線の鉄橋です。
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 熊野川を渡ってすぐのところに熊野速玉神社がありました。伊勢神宮よりも赤色が派手です。自転車をデポして、境内を散策。お正月の初詣の準備が着々と進んでいるようでした。
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 新宮駅に到着。大阪方面はここから電化されていて、新大阪行の特急が待機しています。三重県からついに近畿地方に入ったと実感しました。近所のスーパーで食糧品を買い出して、まだ1時間以上ある待ち時間を待合室で食事をしながら過ごしました。
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 だれもいない賀田駅で降車。すっかりあたりは暗くなってしまっています。
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 駅前に駐車しておいたクルマに自転車や荷物を積み込んで帰路につきました。なんとか、伊勢神宮から熊野速玉神社まで166kmの熊野古道伊勢路を4日間で走破することができました。まだ、未踏になっている荷坂峠と熊野市から熊野大社方面に行く古道も行ってみたい部分です。しかし、熊野大社に向かう古道は輪行エスケープの頼みの綱である紀勢本線から外れてしまうため、しっかりと帰路の計画も立てておかなければなりません。また、他の熊野古道、小辺路などはすでに雪に覆われている部分もあるようですし、エスケープも難しいようなので、入念な計画が必要です。まずは、雪の心配がない伊勢路の未踏部分を走ってみましょう。

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コメント

お久しぶりでございます。熊野古道、猪垣、新宮市と興味をそそられる紀行をありがとうございます。熊野は、歴史古く雨多く山深く密度濃い地域ですよね。猪垣は群馬にも土盛りタイプが所々残っていますが、土盛りという性格上、風化損傷著しく自然に還ろうとしています。新宮市は作家、中上健次の故郷であります。いつか行ってみたいけど、やっぱり遠いなあ。またお会いするのを楽しみにしています。

投稿: 群馬のO | 2018/01/06 22:01

群馬のOさん、こんにちは。遠方から来ても期待に応えられるコースを設定できるようにせっせと調査してますよ!

投稿: Zen | 2018/01/09 21:45

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